社長の本音 NO.213
今年もあっという間に一ヵ月足らずと迫りましたが、和装業界は依然として厳しい状況が続いています。
和装上場企業の中間決算の発表がありましたが、ほとんどの会社が赤字決算となっています。
当社の11月実績も10月に引き続き厳しい結果となりました。11月単月の実績は、昨年対比で売上97.7%・売上総利益96.8%・商品在庫94.7%・営業費103.5%で2ヶ月連続で昨年実績を下回りました。
4月から11月の通期実績は昨年対比で売上109.1%・売上総利益103.4%・営業費104.3%で売上ベースでは過去最高を維持していますが、増収減益となり昨年対比の伸び率は鈍化しています。
73期上半期は浴衣関連商品の大きな数字があり良い形で8月まで進んで来ましたが、浴衣関連の商戦が終わってからは特に大きなプラス材料もなく昨年の数字を作るのが精一杯の状況で、最も売上の比重が大きい9月から11月に昨年実績を割り込んでしまいました。
当社としては新型コロナで大きく落ち込んだ実績をコロナ前まで回復するために様々な取組みを行って来ました。
そして3年かかりましたが何とか業績は回復しました。しかしながら和装・洋装業界ともにコロナ前と取り巻く環境は大きく変わりました。和装業界においては各産地の生産数は回復していませんし、メーカーの廃業が続いています。
一方、小売段階では大手の信販会社のハードルが高くなりここに来てローンの契約が益々難しくなっています。いずれはカード決済が中心になるかもしれません。業界目線ではなくて、いよいよ消費者目線に立ったビジネスモデルを構築しなければならないと感じています。
また厳しい経済環境の中で成長戦略を目指すためには先行投資をしなければ突破口を開く事はできません。
その中でも人材育成は最重点課題となっています。今年はここ数年では最も多い新卒5名が4月に入社予定で、新しい旋風となることを期待しています。また来期から初任給を1万円上げました。
そして社員のモチベーションを維持するためには健康が第一です。その一環の取り組みとして健康経営優良法人の資格を目指す会社が増えていますが、当社も昨年から取り組みを開始し、第一段階である健康事業所の宣言証を全国保険協会京都支部から頂きました。経営環境の厳しい時だからこそ働きやすい環境整備に力を入れる事で社員が育ち、業績が上がり、賃上げが出来、そして人が集まる会社を目指したいと思います。
引き続きご指導、ご協力よろしくお願い致します。